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エコで環境負荷の少ない薬作成の反応方法を確立



私たちは、貴重な天然資源である微生物が持つ酵素のちからをつかって、お薬の原料となるキラル化合物を作り出すため、新たな機能を作り出す人工酵素の創出を目指しています。この酵素は、従来の化学を用いた方法に比べて、環境に優しい物質生産を可能にし、またこれまで不可能であった反応が可能となります。

今回、講師の堀田先生が中心となり、眼病予防に効果があると言われているキサントフィル類の原料をいかに効率的に、環境負荷少なく合成するのか、着手しました。過去の文献から、CmOYEとPsOYEという2つの酵素が、利用できそうだということがわかりました。特にPsOYEの触媒効率が高いことがわかりました。またCmOYEについては構造が明らかにされていますが(Horita et al, Chembiochem. 16:440-445. 2015)、PsOYEについてはわかっていませんでした。

私たちはPsOYEの立体構造を決定し、なぜ、それら2つの触媒効率が違うのか、基質特異性が異なるのかを原子レベルで明らかにしました。

さらに、その構造基盤に基づいて、従来から使われていた生体触媒の部分的なキメラ酵素を作製し、より高機能化した人工酵素の作製に成功しました。この成果によって、お薬を合成する上でよりエコで環境負荷の少ない反応方法が確立されました。次世代のグリーンエネルギーを活用する上で重要な成果であると考えられます。


出典:

Horita S, Kataoka M, Kitamura N, Miyakawa T, Ohtsuka J, Maejima Y, Shimomura K, Nagata K, Shimizu S, Tanokura M. Structural Basis of Different Substrate Preferences of Two Old Yellow Enzymes from Yeasts in the Asymmetric Reduction of Enone Compounds. Biosci Biotechnol Biochem, Nov 16:83(3):456-462, 2018


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