子供は高脂肪食を食べても太らない?いやいやもっと恐ろしいことがおきています!!
- DBPM
- 2020年8月6日
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前島裕子特任教授が中心となった最新論文です!
大人のラットに高脂肪食を与えると普通食を食べたラットに比べて体重の増加が起こり、やがて内臓脂肪が蓄積して肥満ラットになります。
しかし私たちは離乳直後のラットの子供に高脂肪食を与え続けても体重増加が起こらないことを発見しました。この驚きの現象・・・CTスキャンで脂肪を見てみると体重は普通食を食べたラットと変わらないのに内臓脂肪、皮下脂肪はなんと約1.8倍にも増加していました。つまり「隠れ肥満」と呼ばれる状態です。
さらに大人のラットでは高脂肪食を与えてもなかなかインスリン抵抗性は起きてきませんが、高脂肪食を食べた子供のラットではインスリン抵抗性がすでに起きていました。
近年隠れ肥満は通常の肥満よりも、心血管系へのリスクが大きく、死亡率が高いことが報告されています。Body mass index (BMI)は体重と身長から計算される数字ですが、隠れ肥満がおきていると、BMIでは肥満が見えてきません。若い女性でも近年痩せが問題になっておりますが、隠れ肥満が潜んでる可能性は十分あります。BMIに加えて、内臓脂肪量もチェックしておくことをお勧めします。
私たちの研究からいえることは、子供の成長期に脂肪の高い食事をすると隠れ肥満になる可能性があること、また成長期で筋肉の発達など未熟な時期に脂肪の高い食事をとることで、インスリン抵抗性を惹起させ、糖尿病へと発展する可能性が高くなるということです。特に成長期は成人後の健康を維持するためにも炭水化物、脂質、たんぱく質、食物繊維のバランスのよい食事を心がけることが大切です。
Early life high-fat diet exposure evokes normal weight obesity
Maejima Y, Yokota S, Horita S, Shimomura K.
Nutr Metab (Lond). 2020 Jun 24;17:48. doi: 10.1186/s12986-020-00464-w. eCollection 2020.
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